同志社大学法科大学院

教育体制

濵田毅 教授(刑事法)

濵田毅 教授

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Q.担当科目は何ですか~刑事訴訟法と刑事実務

A.私は、同志社ローで、主として刑事訴訟法、刑事実務科目を担当しています。
 具体的には、刑事訴訟法関係では、2年次・3年次配当の必修科目である「刑事訴訟法演習1」「同Ⅱ」などです。また、約25年間検察官として勤務した経験もあることから、実務科目である「刑事訴訟実務の基礎」(必修科目)及び「刑事模擬裁判」(選択科目)も担当しています。

Q.刑事系科目の授業内容は?~受験と実務の双方を意識

A.司法試験科目である刑事訴訟法については、2年次以降の上記演習科目において、判例等を素材にした事例問題を使って、その事案解決のための法解釈とその法適用の実際を学習します。司法試験では、単なる暗記では対応できないレベルの思考過程が要求されますから、これを見据えて、授業では、判例理論を中心とした理論的な考察を行って、事実を的確に抽出・評価するとともにそれを文章化する能力を身につけてもらいます。
 実際の刑事実務では、いわゆる論点に関する知識だけでは通用せず、条文を自在に使いこなし、適正な手続の下で証拠を収集評価し事実を認定できるようになることが求められます。そこで、法科大学院ではその実務の基礎を全員が必修科目として学習することとなっているのですが、同志社ローでは、私のような実務家出身の教員だけでなく、現職の検察官、弁護士が、共同して授業を担当し実務に即した指導を行っています。生きた刑事訴訟法の適用の実際を学習することは、解釈論・法適用という受験に必要な刑事訴訟法学習としても大変役に立つものです。

Q.法科大学院で学ぶことの意義~「受験の孤独」ではなく「人の縁」を一生の宝に

A.法科大学院の魅力や存在意義については数多くのものがあろうかと思いますが、法科大学院受験を考えている皆さんのご関心を考慮し、以下の数点をご紹介します。

(1)当面の司法試験受験について
 法科大学院開学以前は、大学卒業後も何年も社会から孤立しながら受験勉強を続ける(そのうち経済的に余裕のある方が予備校を利用する)という人が数多くいました。
 しかし、法科大学院では、同じ志をもった多数の同級生がいます。お互いに切磋琢磨し、時には励まし、助け合いながら学習を進めています。同大ローでも、「百選輪読会」「答案ゼミ」などの自主ゼミを組んで学習している姿が自習スペースでよく見受けられます。ゼミ仲間を、長い受験生活における心の支え、学習の糧として,是非早期の合格を目指してください。
 また、同志社ローでは、教員が学生からの質問対応はもちろん答案個別指導なども熱心に行っています。司法試験は数年間真面目に勉強に集中する意思と環境さえあれば特別な能力なくとも合格できる試験です。しかし、残念ながら、中には、学習方法が我流に陥り出題意図に即した解答というものが分からないまま受験を続けたため、長年の努力が報われず合格に至らない方もいます。同志社ローでは、そうならないように授業の内容を工夫していますが、それだけでなく学生に対し積極的に授業外でも教員に相談するよう推奨しています。司法試験にも精通している教員の学習指導を大いに活用してください。
 もちろん、正規授業外の弁護士・合格者によるゼミやその他寒梅会ご提供の学習企画を通じて、身近な合格者の先輩方の指導と助言も得てください。必ず、今の自分に合った学習法や対策が見つかるはずです。

(2)これから先の長い法曹の人生を見据えて
 まずは、法曹三者、企業法務などから自分に合った道を見つけねばなりませんね。法科大学院であれば、私のような元実務家だけでなく、まさに現職で活躍している弁護士、検察官、裁判官から正規授業で指導を受けたり授業外で交流する機会が多数あります。また、法律事務所・企業で約2週間学ぶという正規授業(エクスターンシップ)だけでなく、教員やOBが企画あるいは紹介する検察庁、裁判所、法律事務所訪問等の機会もあります。このような交流や企画を通じて得る豊富な情報と体験を、是非皆さんの進路決定に生かしてください。
 法律は、有形の製品ではありません。人と人との関わり合いの場面における知恵と力の集大成です。故に、法曹は人と人との接点が仕事場となります。長い法曹人生における成功の一つの鍵は、どれだけ豊かな人の縁を持つことができるかでしょう。法科大学院において得た同級生、教員、先輩・後輩の縁が、法曹としての一生の財産となるはずです。

 法曹と法律に関心のある方は、是非、法科大学院の扉を開いてみてください。

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