同志社大学法科大学院

入試情報

在校生修了生の声(2022年度パンフレットより)

座談会

法学未修者の1年目を振り返って

野々村冴乃さん

法学未修者 2年次 同志社大学 法学部早期卒業

楠本有希恵さん

法学未修者 2年次 京都女子大学 法学部卒業

寺部直樹さん

法学未修者 2年次 同志社大学 法学部早期卒業

司会:法科大学院でのこの1年間の勉強はどうでしたか。

寺部この1年間、予習が大変でした。学部(法学部)のときは授業を真面目に受けていたつもりでも、受動的に受けていたなと思います。というのも、この1年、予習して授業で分からないところは質問して、能動的な勉強とはこういうことなんだなと思ったからです。

楠本私は司法試験に向けて頑張ろうと思い始めたのが大学4年になってからで、他の皆さんより勉強が進んでいなかったので、追い付くのに今人生で1番勉強しているなと思っています。

司会:楠本さんは京都女子大出身ですね。どうして同志社に来られましたか?

楠本京女に大中先生が来てくださって、お話しを聞いたときに、ただ司法試験を頑張るというだけじゃなくて国際的な視点も持っているし、大中先生が学生さんを支援している印象を受けたので、すてきだなと思って受けました。

司会:特に大変だった授業や工夫して受けた授業があれば教えてください。

野々村憲法の理解が難しく、私は復習のほうにすごく時間をかけていました。覚えるのが苦手なので、暗記のアプリを使って、自分で打ち込んで穴埋め問題を作ったりして、基準とかを覚えました。

楠本私は、民法も刑法も、問題演習をしないと身につかないものがたくさんあるなと思って、自分でいろいろ問題集の本を読んだり、参考答案を見たりしました。

司会:期末試験には、どんなふうに備えられましたか。

寺部もう徹底的にレジュメの復習です。後、AAゼミでやった内容も復習に用いました。

野々村私もレジュメの復習が主で、小問題や例題が付いている科目では、それにちゃんと答えられるようにしていました。

楠本私は、これが聞かれたらこう答えようというのを自分である程度文章でまとめたものを作ったりしていました。

司会:受けられた選択科目について、報えてください。

寺部比較法文化論Iは、イギリス法で、例えばかつらの歴史とかちょっとニッチな部分に触れたり、各国の贈与法の違いは、公証人制度の発達の程度も関係があったとか、興味深かったです。

野々村法情報調査・文書作成入門では、2グループに分かれてディベートすることがあったのですが、相手方を納得させるためには、筋道というんですか、法的三段論法みたいなものが直接関わってくるのですごく意義があると思いました。

楠本アメリカン・リーガルシステムは、アメり力の基本的な法制度だけではなくて、実務の弁護士さんとか、実務家がどうやって育っていくかを知ることができました。アメリカでは司法試験の合格率が高いこととか、めちゃくちゃうらやましいなと思いました(笑)。

司会:教員とのコミュニケーションはうまく図れましたか。特に今年はオンラインでしたが。

寺部春学期は慣れなくて厳しかったですが、秋学期は(授業の後もつながれたオンラインで)結構積極的に質問できたかなと思います。

楠本授業後に勉強していて、何でここはこうなっているんだろうと思うことも多々あったので、先生にメールしていました。できれば対面のほうがうれしいですけど、分からないときにも心折れないようにメールしました。

法学既修者の1年目を振り返って

小寺統大さん

法学既修者 2年次 同志社大学 法学部卒業

西村友里さん

法学既修者 2年次 同志社大学 法学部早期卒業

秋山愼悟さん

法学既修者 2年次 同志社大学 法学部早期卒業

司会:同志社大学ロースクールに入って良かったと思うところを教えてください。

西村先生との距離が近いところかなと思います。学習指導等で個別に答案を添削していただいたりするときに、コメントだけじゃなくて「何でここ、こう書いたの?」と聞かれたりして、自分の問題点に気付いていけるのが、すごく良かったなと思いました。

小寺少人数で授業をやっているところがいいと思います。あとは、西村さんも言っていましたけど、先生との距離が近いというのもいいところだと思います。

秋山先生との距離も近いし、AAゼミなども充実していまして、OBの方の支援が結構受けられるというところが大きいんじゃないかと思います。

司会:授業を受けるときのエ夫や意識している点は何ですか。

西村難しいことを聞かれたりするので、取りあえずは予習を、与えられたことをしっかりできるようにというのを意識していました。

小寺今はオンライン授業ということもあって、画面の半分をZoomにして、画面の半分をワードにしてノートを取っています。

秋山授業は、予習で全部やろうと思ったら大変なので、最低限だけやって、あとは授業中に答えられなかったら、そこはもう自分が理解できていないところだと割り切って復習に回すようにしていました。先生が予習の質問事項だけではなくて、それに関連したことを聞いてくることもあるので、それも使って全体的な理解を深めていました。

司会:皆さんの好きな授業を挙げてください。

小寺刑事訴訟法の濱田先生の授業は、特に復習の資料が分かりやすくていいと思います。

秋山山下先生の商法演習Iは、復習用で問題を解いてきてくださいというレポート課題が毎回出るんですけど、他の方が書いてきたレポートも後々配布していただけるので、それを参考にしながら自分の答案も改善できてくるという点ですごくいいかなと思いました。

司会:学習指導はどう役立てていますか。

一同学習指導は、指導教授の先生に、個別に質問に答えていただいたり、起案の方法論を指導していただきました。録画配信された学習指導もあり、授業で十分理解できなかったところを見て、補助的に利用しました。

司会:新型コロナウイルスの影響下でのオンライン授業の感想はどうですか。

西村最初はやはり戸惑ったんですけど、質問も、授業時間内に答えていただいたり、メールして返信いただいたりできました。同級生とのつながりがあまり持てませんでしたが、個別指導していただく先生とか、夏休みの特別ゼミで修了生の先輩に「予習こうしてたよ」というアドバイスをいただき、オンラインでもいろいろつながりを持てました。

小寺他の二人が真面目なことを言ってくれると思うので、僕はちょっと適当なことを言うと、オンライン授業のおかげで一限目寝坊したのに、ギリギリ間に合って授業に出席できたことがありました(笑)。

秋山コロナがはやって、他大学では全く授業ができないというときに、同志杜では早くに「オンラインでやります」という決定がされて、最初の授業からすっとやったというのは、すごいなと思いました。そのおかげで早くにオンライン授業に慣れることができました。

選択科目座談会

田中宏明さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

平瀬佑夏さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

世古口紘明さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

司会:展開・先端科目の受講の感想をお聞かせください。

田中労働法に関しては、外部の先生でしたが、総合演習のほうは、毎年教えられているということだったので、そんなに不安はなかったです。履修者が少なかったので本当の実力は正確には分からないとは思いますが、良い成績を修められました。

平瀬私は、経済法をとっていましたが、松山先生は長く実務で公正取引委員会にいらっしゃった関係もあって実務の話をたくさんしていただきました。実際の審決、判決において、事実をどう拾っていくのか、問題を与えられたときに何に着目して、どう処理していくのかというところを具体的に教えていただき、とてもありがたい授業でした。経済法は人数が少なくて、最初、経済法Ⅰのときは5人いたんですけど、最後、総合演習は私1人だけで、ほとんど個人指導ぐらいにすごく丁寧に、手厚く指導していただきました。

世古口僕は租税法の選択で、占部先生が、司法試験の過去問に対する考え方とかも解説してくださったりして、試験に向けても安心感がありました。内容的にも、今年はオンラインで、かえって丁寧に教えてくださり、教材も多く、よく理解できました。個別指導でも質問に行ったらすごく丁寧に答えてくださって、その後雑談で、「就活どうなんや」みたいなところまで相談に乗ってくださったり、親身に話してくださいました。

法学既修者の2年間を振り返って

田中宏明さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

平瀬佑夏さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

世古口紘明さん

法学既修者 修了生 同志社大学 法学部早期卒業

司会:2年間受けられた授業を振り返っての感想を聞かせてください。

田中心に残っているのは、古江先生(2021年度はシニア・アカデミック・アドバイザー。)の刑訴法演習Ⅰです。実務経験も交えながら、理論的にも詰めてお話をされ、いろいろな意味で役に立ちました。刑法演習Ⅰ、Ⅱの十河先生には、学部のときの答案作成ゼミナールからお世話になっていますが、本当に基本的なことから教えてくださるので、致命的な間違いを犯すことが最近なくなってきました。お手製のレジュメに書き込みをしていけば大体の知識がおさえられます。学説の対立軸が理解できます。

世古口松本先生の憲法演習では、正直受けていた当時は、よく分からなかったのが、ある程度勉強が進んでから、メモとかを読み返すと、こういうことだったのか!と分かるようになりました。今もう一度受けたいと思う授業です。

平瀬民訴法演習Ⅰで園田先生にお世話になりました。民訴法は全然勉強していませんでしたが、授業では基礎から復習し、問題検討に入り、その後に実際の試験問題が出たときどう処理するかを説明してくださいました。パワーポイントの当事者の関係図が分かりやすかったです。

司会:皆さん早期卒業で入学されておられますね。早期卒業のよい点は何でしょうか。

田中一番は学部4年生の1年間の学費がかからず、(自分の場合は)学費も全額免除だったことです。勉強面では、学部1年分が抜けますが、早くロースクールに飛び込んで司法試験に向けた勉強の仕方を身に付けるのは、結局は学習効率がいいのかなと感じます。

平瀬メリットとしては、やはり学費です。また、私は司法試験予備校に1回も通っていなくて、どう勉強したらいいのか学部では分からず、1年早く司法試験に向けた学習環境に身をおけたのは良かったです。早く就活もできるのは、弁護士になるにしろ、企業に行くにしろいいかなと思います。

司会:京都大学の民事法文書作成はどうでしたか。

田中問願はよく作り込まれていて、しかも、同志社の先生方とはまったく毛色の違うタイプの京大の先生が作るので、勉強の深度が深まると感じました。講評のペーパーは丁寧で、自分の答案を見返して、どこが拙いのか、論理的にどこがおかしいのかを確かめるにはすごくいい授業と感じました。

世古口科目によりますがペーパーだけ読んでいると難しくて何を言っているか分からないというところは、同志社の先生に聞きました。京大のロースクール生がどういう答案を書いているかを見ることができたのは参考になりました。

司会:新型コロナウイルスの影響下でのオンライン授業はどうでしたか。

田中通学に往復4時間かかる分が節約できました。オンライン授業で問題を感じることはなかったです。先生方は画面共有や、カメラの前にホワイトボードを持ってこられたりして対応を工夫されていました。

平瀬遠距離通学で、図書館に行きにくかったのですが、データベースにアクセスできて、その点も慣れたら大丈夫でした。

世古口録画でもう1回確認できるので、オンラインの方が便利かなと思うところもありました。オンライン授業の準備を早い段階からされていたので、年度当初からスムーズに切り替えられました。

司会:世古口さんは、予備試験を受けて合格されましたが、ロースクールの授業との関係はどうでしたか。

世古口授業の勉強が直結するので、授業の予習復習と、司法試験に向けての勉強がどれぐらいまで進んでいるかを測る模試みたいな感じで受けたので、負担はそんなにないという感じです。

信託法

信託法を学んで

東裕希子さん

修了生 京都大学法学部卒業

 信託は最近CM等でも耳にする機会が増えているので、聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。この授業では、信託制度について基本的な事柄から、実用されている類型の設計とその問題点まで、民法の後見制度などとの比較も踏まえながら、非常に分かりやすく学ぶことができます。私自身も、信託については「聞いたことがある」という程度でおよそ知識はない状態で授業に臨みましたが非常に興味深く学ぶことができました。
 また、実務で信託に関与している方(銀行の方)のお話を複数回にわたって、実際に聞くことができる貴重な機会を得られます。お話しいただく内容は年度によって異なりますが、会社法で学ぶ従業員持ち株制度、及び、これと信託とのかかわりについて、のように司法試験科目で学ぶ内容に関連した事柄の実務での運用について聞くことができます。

履修モデル

1年次から計画的な履修を心掛けるとともに、多様な科目を履修

手嶋麻貴さん

修了生 九州大学法学部卒業

 未修1年次は、今後の学習の基礎となる知識を身につけることが中心となります。2年次からは既修者と同じクラスで講義を受けることになりますが、未修1年次で学んだことが直接2年次以降の講義で活かされるので、2年次からも安心して授業を受けることができると思います。
 2年次までは必修科目が大半を占め、選択科目を受講することは少ないですが、基本7科目以外に触れる貴重な機会であるため、積極的に様々な分野の授業を受講しました。3年次からは、より選択の幅が広がり、自分の学習状況に合わせて総合演習を選択したり、選択科目でより知見を広げたりすることができます。
 どの年次の学習も一つも無駄になることはなく、全て繋がっているので、一つ一つの学習を大切にしていくことが何よりも重要だと思います。

将来を見据え、自分に合わせた法科大学院らしい履修選択

小林実穂さん

修了生 京都大学法学部卒業

 既修1年次には、必修科目である法律7科目の演習科目が配当されており、ここで司法試験に向けて必要となる基礎的な事項を習得することになります。少人数のクラスで、予習を前提とした質疑応答が中心の授業が行われるため、授業に向けた準備や復習のために時間が必要になりますが、この1年間を通じて基礎を固められます。
 2年次は必修科目が少なくなり、基本事項を踏まえた事例の検討を中心に行う総合演習や実務関連科目などの選択科目が履修できます。総合演習では、事例問題への対応方法を学べるだけでなく実際に答案に助言をいただくごとができるため、実践的な学習が可能です。
 また、エクスターンシップやクリニックは、法曹として活躍されている方のお話を直接聞くことができる貴重な機会でした。他にも様々な選択科目が開講されており、将来に向けて視野を広げる契機となります。

BACK
ページの先頭へ