同志社大学法科大学院

実績・修了生紹介

OB・OGインタビュー

(2024年度パンフレット掲載事項)

※掲載内容は、2024年1月の取材内容に基づいています。


●裁判官 ●京都地方裁判所
中谷 洸さん

2018年 同志社大学法学部卒業
2020年 同志社大学法科大学院司法研究科既修コース修了
2021年 司法試験合格

「独立」の原則が尊重される裁判官という仕事

 京都地方裁判所の刑事部で、合議事件の進行管理や起案、身柄事件の処理や事務といった業務を担当しています。現在任されている「左陪席裁判官」はキャリアの浅い裁判官が努めることが一般的ですが、裁判官の原則は「独立」であり、若手がベテラン裁判官におもねるような風潮はありません。立場にとらわれず自由に意見を言い合える点こそ、裁判官という仕事の特徴だと思います。また、裁判所は「硬い職場」と思われるかもしれませんが、実際はそうとも限りません。雑談に花を咲かせたり、互いの業務をフォローし合うような一面もあり、職場環境には満足しています。
 裁判官の業務は法律の知識がダイレクトに問われるので、法科大学院時代にしっかりと勉強したことが今に活きています。当時のノートを見返して、実務の判断材料にすることもあります。
 司法試験に向けた勉強はつらいこともありましたが、同じ志をもつ友人ができ、議論を交わしたり、ともに深夜まで勉強した日々は楽しくもありました。何より合格に向けてとことんまで努力した経験が、仕事をする上での自信にもつながっています。




●検察官 ●さいたま地方検察庁
東 裕希子さん

2019年 京都大学法学部卒業
2021年 同志社大学法科大学院司法研究科既修コース修了
2021年 司法試験合格

事件にある「背景」を総合的に捉える

 さいたま地方検察庁の刑事部で検事を務めています。警察から送られた事件記録の中身を確認し、明らかになっていない部分については、被害者等の関係者や被疑者から話を聞く、実際に事件現場を見に行く、必要な場合には警察に追加の捜査を依頼するなどして、証拠を収集し、より正確に事件の全体像を把握することが検事の重要な役割です。丹念に裏付けをとることで思わぬ発見につながることも多く、主体的に関われる点にやりがいを感じています。
 中学校時代に読んだ本を通して、検事という仕事に興味をもつようになりました。特に、事件には様々な背景や事情が関係しており、検事はそれらを踏まえた上で全体像を明らかにすることで、被告人の更生を助けることができるという点に感銘を受けました。
 大学卒業後、複数のロースクールを検討しましたが、立地や授業の充実度、合格実績だけでなく、独自の奨学金制度が利用できることもあり、同志社大学法科大学院を選びました。入学後にも授業内外で弁護士や検察官といった実務家の話を聞ける機会がありました。法曹の世界の幅広さやそれぞれの仕事の魅力を知ったことで、自分に合った進路を見極めることができました。




●弁護士 ●弁護士法人GVA国際法律事務所
宮本 真衣さん

2015年 同志社大学法学部卒業
2018年 同志社大学法科大学院司法研究科未修コース修了
2018年 司法試験合格

国際ビジネスを法務の力で支援

 国内外の企業に対して、契約書のチェックや各種書類の作成、リサーチといった企業法務サービスを提供しています。例えば日本でビジネスを始める海外企業の諸手続を行ったり、外国人材の受け入れを検討する国内企業向けに、雇用契約やビザの管理といった業務をサポートしています。特に近年の働き手不足を背景として、外国人材の獲得を検討する国内企業が増加しています。直近の事例分析などを踏まえつつ、工夫を凝らしながらサポートできることにやりがいを感じています。幸い所属する事務所では勉強会やビジネスモデル分析をする機会が多くあるので、ビジネストレンドの変化に対応することができています。
 企業法務に興味を持ったのは、法科大学院時代のエクスターンシップがきっかけです。また別の授業でも「リサーチ結果を企業の法務部長に報告する」ことを想定した演習があり、法律について企業目線で考えることの奥深さに触れました。法科大学院で学んだことは、弁護士としての思考の基礎になっています。さらに司法試験という高い目標に挑戦した経験も、キャリア形成に活きていることを実感しています。




●弁護士(企業) ●株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ
佐藤 麻子さん

2008年 神戸大学法学部卒業
2011年 同志社大学法科大学院司法研究科既修コース修了
2011年 司法試験合格

法務の知識を起点に活躍の舞台を広げる

 司法試験に合格後、弁護士事務所勤務を経て、社内弁護士として企業の法務部に転職しました。新規の取引や技術開発など、社内の様々な相談事に対してアドバイスを行い、必要に応じて契約書の作成も行います。企業弁護士は未確定要素の多い段階から事案に関わることが多い分、「仲間とともにビジネスをつくりあげる」という実感が得やすいと感じています。また、法務部に続いて内部監査や経営管理といった分野に異動したことで、ビジネススキルの幅が大きく広がりました。
 ビジネスの最前線で日々生じる課題に対応するためには、法律も含めて関連する情報を徹底的に調べ、解決の方法を突き詰めて考える必要がありますが、こうした姿勢は同志社大学法科大学院時代に身につけたものです。また先生や友人たちとの議論を重ねた経験も役立っています。
 法科大学院時代は勉強漬けの毎日でしたが、振り返ってみると学友と切磋琢磨して自分の実力を伸ばし、将来の可能性を広げる期間でもありました。皆さんも将来のステップアップを見据えて、存分にチャレンジしていただきたいと思います。

BACK
ページの先頭へ