本研究科では、司法試験問題を徹底的に分析し、司法試験でどのような能力が問われているのか、法曹になるためにどのような力を身につける必要があるのかを常に考え続け、カリキュラムや各科目の授業内容を確定しています。
また、「法科大学院における共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」で、法科大学院の教育課程において法律基本科目および法律実務基礎科目で共通に到達すべき目標とされている項目を、本研究科のカリキュラムでどのように学ぶことになるかを学生に明示し、各自の学修の指針になるよう配慮しています。
確かな基礎学力を築くためのインプットに始まり、学年が上がるにつれてアウトプットにも力を入れ、実践的な問題解決能力を養成します。
特に3年次の演習科目では、長文の事例問題を素材としたケース・スタディを通じて、論点発見能力や事案分析能力を徹底的に鍛えます。また、事例問題の解答を各自が起案し、丁寧な添削指導を受けることにより、法的文書作成能力の向上を図ります。
演習科目の学期末試験では、長文の事例問題を出題し、問題解決能力や法的文書作成能力がどの程度身につけられたかを確認します。学期末試験の後には講評会を実施し、事例問題の解説はもちろん、解答の改善点についても講評します。
学期末試験では、複写式の答案用紙を使用しています。各自が、自分の答案用紙の副本を手元に置き、試験後の復習や個別指導の際に役立てます。
毎年、司法試験終了後に、教員による司法試験講評会を実施しています。司法試験論文式問題を詳細に解説し、解答する上でのポイントを指南します。受験者の再現答案も閲覧できるようにしています。
授業内や各自の学習において、Webシステム(TKC授業理解度テスト)等の択一問題を利用し、基礎学力の定着を図っています。また、学期末試験では、択一問題を出題する「基礎知識確認試験」を実施しています。
更に、定期的に「短答マラソン」を実施しています。約1か月間、平日の毎朝、択一問題に挑戦し、全日程で、憲法、民法、刑法の全領域をカバーします。短答マラソンを完走すれば、基礎学力が確実に向上します(現在は、新型コロナ感染拡大の影響により中止しています)。
授業の予習、復習のない夏休みや春休みの期間を利用して、夏期特別ゼミ、春期特別ゼミを実施しています。科目ごとに司法試験論文式問題を数問取り上げ、各自が作成した起案について添削指導を受けます。アカデミック・アドバイザーの弁護士による「本ゼミ」に加えて、当該科目の成績優秀者である修了生による「サブゼミ」を行い、手厚い指導をしています。
司法試験準備生を対象に、教員や司法試験合格者による勉強会を定期的に(各科目毎週~月2回程度)実施しています。司法試験の必修科目はもちろん、選択科目についても勉強会を実施しています。答案練習や短答式試験対策など、在学時と変わらない手厚いサポートを司法試験合格まで続けます。