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第5回法科大学院講演会 第4回法学部講演会

    1月12日、第5回法科大学院講演会・第4回法学部講演会として、講師に元最高裁判所判事の園部逸夫氏をお迎えし、「判例の意義と役割をめぐって」という演題でご講演いただいた。園部氏は、9年半にわたる最高裁判所判事在任中、衆・参議院定数控訴、ロッキード事件丸紅ルート、愛媛玉ぐし控訴などの判決に関与され、数多くの個別意見を書かれた。
   まず、幅広い勉強をせずに法律学ばかりを20代の若い頭で何年も詰め込んでいると、たとえ司法試験に合格しても、それは鉄骨のない建物と同じであると学生へのメッセージから始められた。その後、演題の中身に入られ、裁判制度をアメリカや中国と比較し、判例の拘束力について傍論の性格にも触れながら説明された。さらに、反対意見・補足意見の意味、判例集の作られ方、裁判所の裁判官の構成・任用、最高裁の調査官の役割にまで、歴史的な観点も交えながら言及された。多岐にわたる話題のいずれについても、第一線で活躍されてきたからこその説得力を伴って伝わってきた。非常に意義深い講演会であった。