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教員からのメッセージ


国際的視野と判断力をもつ法律家の養成
高橋 宏司 教授
Q: 担当分野は何ですか?
A: 主に国際関係法(私法系)です。この分野は司法試験の選択科目であり、本学では、国際私法I、国際私法II、国際民事訴訟法、国際動産取引法の4科目で教えています。他に、司法試験とは直接関係ない科目ですが、イギリス・コモンウェルス法および海外インターンシップも担当しています。海外インターンシップは、外国語が特に優秀な人(TOEIC890点相当以上の能力のある人)が対象となり、海外の法律事務所で短期間(2週間足らず)研修する科目です。各科目の詳細は、シラバスのほか、授業レジュメ(同志社大学オープン・コースウェアとしてインターネット上に公開しています)でご覧いただけます。
Q: 国際関係法(私法系)の授業は、どのような方針で行われていますか?
A: ロースクールでの教授法としてメリットが強調されている双方向授業は、うまく行えば効果があると思います。特に、基本をしっかり身につけた者の間で、法が明確でない論点や立法論について行えば有効であることに疑いありません。しかし、研究者の間でもそのようなやりとりがうまく行くとは限りませんので、ロースクール学生との間で双方向授業を効果的に行うのは容易でないと思っています。単に知識を確認するだけの目的ならば、学生同士でやればよく、教員が授業でやるのは時間の有効活用とならないと考えています。
私の授業方針は、少ない予習で効率的に知識と理解を得られるような講義を提供することです。国際関係法(私法系)は、親族・相続法から会社法に至るまであらゆる私法分野の国際的局面が対象となっており、範囲が非常に広いですので、できるだけ多くの論点を授業で扱って、学生さん達の負担を軽減したいと思っています。しかし、知識の定着は各学生の自己責任であり、問題演習などを通じて自主的に行ってもらう必要があります。ロースクールでは、司法試験との関連で授業内容が決まってきますので、自分の研究を中心に授業を組み立てることはしていません。
Q: イギリス・コモンウェルス法はどのような科目ですか。
A: イギリス法とそれを母法とするコモンウェルス諸国の法を対象としています。日本で法科大学院が発足するまでイギリスの大学で教えていましたので、その知識と経験を活かして、日本の法律実務にとって重要性の高い契約法のトピックなどを選んで教えています。日本法と対比するようにしていますので、司法試験の勉強にも役立つものとなるよう心がけています。
Q: イギリスと日本の法曹養成制度の違いは?
A: 日本の司法制度改革は、司法試験という「点」のみによる選抜から「プロセス」としての法曹養成制度を目指してスタートしましたが、近年はそれに逆行する動きが強まっています。一教員としての私の役割は、学生さん達の直近の目標である司法試験合格を効率よく支援することであると割り切っていますが、司法制度改革の理念追求を放棄している制度関係者の責任は重いと思っています。
イギリスでは司法試験はなく、「プロセス」としての法曹養成がより徹底しています。各人が法曹資格取得までの各過程で受ける評価を通じて自分の法曹としての適性と得意分野を見極めていくことになります。イギリスの制度にも問題はあると思いますが、実社会の多様な法務ニーズを反映させた形で必要な知識や技術を磨いていく点では、質の均一性に拘泥して参入時に高いハードルを課す日本の制度よりも優れているように思います。どの業界でも、門戸を広げて多様な人材を呼び込み、その中で切磋琢磨させる構造を作らなければ、優秀な人材は参入しないのではないでしょうか。
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