本コンテンツは、同志社法科大学院の教授がリレー形式で担当します。
| Q: | 同志社着任までの仕事は何でしたか? | |
| A: | 法科大学院発足時まで、イギリスの大学の法学部で専任講師をしていました。イギリスでは、数年間、バーミンガム大学・サウスハンプトン大学・ロンドン大学で教えていました。日本人として、主としてイギリス法をイギリス人学生に英語で教えるのは、担当科目が多かったこともあり、苦労の多い仕事でした。反面、イギリス法の理解にとっては非常に良い経験でした。 | |
| Q: | 同志社着任の動機は? | |
| A: | 自分の専門分野で声をかけていただいたこと、環境と名声に恵まれた大学であること、国際性を重視している大学であることです。 | |
| Q: | イギリスと日本の法曹養成制度の違いは? | |
| A: | 日本の司法制度改革は、司法試験という「点」のみによる選抜から「プロセス」としての法曹養成制度を目指してスタートしましたが、イギリスではそれがより徹底しています(詳しくは、juniorlawyers【外部リンク】など参照)。各過程で受ける評価などを通じて自分の法曹としての適性を見極めていくことになります。イギリスの制度にも問題はありますが、実社会の多様な法務ニーズを反映させた形で必要な知識や技術を磨いていく点では、質の均一性に拘泥して参入時に高いハードルを課す日本の制度よりも優れているように思います。どの業界でも、門戸を広げて多様な人材を呼び込み、その中で切磋琢磨させる構造を作らなければ、優秀な人材は参入さえしようとしないのではないでしょうか。 | |
| Q: | 教育における心がけは? | |
| A: | 学生さん達に、司法試験という直近の目標を追うだけでなく、幅広い視野を持つように言っても、多くの人は受験勉強だけで精一杯であるのが現実でしょう。社会の多様なニーズに応えられる様々な知識と能力を有する法曹養成の仕組みを作り切れていないことについて、制度設計者の責任は大きいと思います。一教員としての私の役割は、学生さん達の直近の目標達成を効率よく支援することであると割り切っています。 | |
| Q: | 授業の内容は? | |
| A: | 私の担当分野は、主に国際関係法(私法系)ですが(詳細は2009年度科目案内 国際関係法(私法系)参照)、他に、イギリスの契約法も教えています。前者は司法試験の選択科目であるのに対して、後者は、司法試験とは直接関係がないものの、日本法と対比するように教えていますので、試験勉強にも役立つように工夫しています。 国際関係法(私法系)は、親族・相続法から会社法に至るまで、あらゆる私法分野の国際的局面を扱いますので、対象範囲が広く、司法試験に出る可能性のある問題を授業で100%カバーすることは保証できません。しかし、授業以外に学生さん達が自分で一から勉強しなければならないトピックがなるべく少なくなるよう、広い範囲を授業に取り込んでいます。そして、その範囲に入るかぎり、司法試験に対応するに充分な知識も伝えています。レジュメは、同志社大学オープン・コースウェアに開示しています。なるべく効率的に授業を行うよう努力していますが、いくつかのトピックは、やり残さざるを得ません。 他に、外国語が特に優秀な人(TOEIC890点以上相当の能力のある人)を対象に、海外の法律事務所に短期(2週間足らず)の研修に派遣して単位を与える海外インターンシップも担当しています。 |
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| Q: | 授業の方法は? | |
| A: | ロースクールでの教授法としてメリットが強調されている双方向授業は、上手に行えば非常に効果的な方法であると思います。特に、基本をしっかり身につけた者の間で、法が明確でない点や立法論について行えば有効であることに違いありません。しかし、研究者の間でもそのようなやりとりが上手く行くとは限りませんので、ロースクール学生との間で双方向授業を効果的に行うのは困難であると思っています。単に知識を確認するだけの目的ならば、学生同士でやればよく、教員が授業でやるのは時間の有効活用とならないと考えています。 勉強量に対して成果がなかなか上がらない学習初期の段階において、私の授業を聞くことによって、少ない予習で効率的に知識と理解を得てもらうのが私の方針です。その後の暗記と事例問題処理の練習は、いわば肉体労働の次元であり、基本的には各学生の自己責任ですし、実際にも、それを主体的に実践してもらわないと知識が身につかないはずです。 |
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| Q: | 授業に臨む心がけは? | |
| A: | 準備時間を充分にとるように心がけています。1.5時間の授業時間に対して平均5時間ぐらい準備をしています。授業でのプレゼンテーションの仕方を考えるほか、前年度の授業以降の法改正や判例を検討してレジュメを更新したり、関連する国内実質法の内容を勉強しています。国際関係法(私法系)をやるには、国内実質法の細かな知識は不要ですが、概要や趣旨を理解しておくことは有益だからです。学生さんには、少なくとも私の予習に見合うだけの復習はやってもらいたいです。 | |
| Q: | 研究について | |
| A: | 研究内容を授業で教えられるのが理想ですが、ロースクールの場合は、むしろ司法試験との関連で授業内容が決まっていきますので、研究は授業と別であると割り切っています。分野は、教育で担当している分野に限らず、国際仲裁法や、イギリスの契約法・民事訴訟法などで、理論上または実務上の重要性があると考えられる問題に取組んでいます。学期中は、週の平日の半分以上は、授業関係に力を注いでいますので、充分な研究時間がなかなかとれません。 | |
| Q: | 学生へのメッセージ | |
| A: | 司法制度改革の揺り戻しの時期に入っており、いろいろな雑音が気になるかもしれませんが、一旦、この道に踏み込んだ以上、悔いのないようベストを尽くしてください。受験勉強でストレスが多いかもしれませんが、健康には充分留意してください。 | |










































